『四谷怪談』
1956年7月12日公開(白黒/87分)

◎スタッフ
製作/大蔵貢 企画/岡本良介 脚本/小国英雄・田辺虎男 監督/毛利正樹 撮影/鈴木博
照明/矢口明 録音/村山絢ニ 編集/後藤敏男 美術/黒沢治安 音楽/渡辺浦人 助監督/山田達雄
製作主任/高橋松雄
◎キャスト
民谷伊右衛門/若山富三郎 お岩/相馬千恵子 直助/田中春男(東宝) お槇/飯田蝶子
宅悦/小倉繁 伊藤喜兵衛/御橋公 お弓/はなおか菊子 お梅/筑紫あけみ お色/美船洋子
藤井左門/高橋松雄
◎あらすじ
伊藤家に住み込みで乳婆をするお槇は、同家の一人娘・お梅が自分の息子・民谷伊右衛門に恋していることを利用して、伊右衛門に妻子があることを隠し、伊藤家に婿入りさせようと考えた。
だが、伊右衛門は愛する妻・お岩を捨てられなかった。今から三年前、伊右衛門はお岩の父・藤井左門に、お岩との仲を反対され、自分の素性を罵られたことに逆上して、左門を斬り殺していた。伊右衛門は庄屋の淫乱娘だった母・お槇と百姓の小作男との間に生まれた子供だった。
伊右衛門は自分が左門を殺しておきながら、仇を探すと偽ってお岩を連れ出し、江戸へ逃れた。お岩の妹・おそでは、父の仇の伊右衛門を、中間・直助と追った。だが、小悪党の直助は伊右衛門から、おそでには居場所を、お岩には左門殺しの真実を話さないことを条件に、毎日のように金をゆすった。さらに直助は、仇討ちへの協力と引き換えに、おそでを女房にしていた。
その直助が、伊右衛門に手切れ金として五十両を要求してきた。その上お槇から、伊藤家の婿入りを断るなら、左殺しの真実をお岩に告げると言われ、伊右衛門はお梅との縁談を承知した。お槇は直助を抱き込んだ。そして按摩・宅悦にお岩と間男をさせ、それを理由にお岩を離縁しようと企んだ。
一方で、お岩には南蛮渡来の猛毒を飲ませた。毒の効き目で凄まじい形相となり、お岩は絶命した。伊右衛門は宅悦を不義者として斬り殺し、直助の手を借りて二人の死体を戸抜きに打ちつけ、大川に投げ込んだ。
そしてお梅との婚礼の夜、伊右衛門の前にお岩と宅悦の亡霊が出現した。伊右衛門は亡霊と見誤り、お梅とその父・喜兵衛を斬り殺した。祟りを恐れて霊岸寺に身を隠した伊右衛門が、隠亡堀で釣りをしていると、そこにも戸抜きに打ちつけられた二人の亡霊がつきまとい、怨みを告げた。
同じ頃、直助は大川でお岩の櫛を拾って持ち帰り、お岩が乗り移ったおそでに包丁で刺し殺された。近所の報せで来た役人の目の前で、おそでは舌を噛んで自害した。


(C)国際放映